まとめ
- MoonLander を購入した
- キーマップを最適化する体験が非常に優れている
- プロジェクト遂行の基本がつまっているのでおすすめ
はじめに
@shimewtrと申します。
普段は Ruby on Rails を用いてスマートフォンアプリのバックエンド開発をしています。
昨日、ZSA が販売しているキーボード、MoonLander が手元に届きました。
分離キーボードはあまり馴染みがなく、この記事の執筆もかなりたどたどしいですが、キーマップを最適化する体験が非常に素晴らしかったです。
キーマップ最適化とプロダクトをユーザーに届ける一連の流れとの類似性を感じたためその内容を記載します。
MoonLanderとは
MoonLander は ZSA 社が販売している分離式のキーボードです。
ZSA 社が販売している商品は他にも ErgoDox EZ が有名ですが、MoonLander はその後継機とも言えるキーボードです。
キーマップ最適化PJとは
MoonLander や自作キーボードはキーマップを自由に変更できます。
好みに合わせて Dvroak 配列にすることや親指シフトのキーボードにすることも思いのままです。
私はこれまでキーボードにあまりこだわりがなく、キーボードキットを用いた自作キーボードも一度しか作ったことがありません。
なんとなく「かっこいいなぁ」とか「使いこなしたいなぁ」と思っていたものの、ハンダゴテを使って組み立てたり、キーマップを調整するのはコスパが悪いと思っていました。
キーマップ最適化 PJ とはキーマップを最適化する過程をプロジェクトに見立て試行錯誤をすることを勝手に名付けたものです。
自分好みのキーマップにすることが自作キーボードの最大の利点と言う方も多いと思いますが、今回始めてキーマップの調整作業をして、キーマップを最適化することは終わりのない試行錯誤の連続だと感じました。
以降ではなぜ MoonLander がキーマップ最適化 PJ に適しているかと、この PJ の魅力についてお伝えします。
自作キーボードを日常的に作成している方にとっては当たり前のことや、見当違いのことを言っているかもしれませんがご了承ください。
なぜMoonLanderが適しているか
1 つ目の理由はキーマップの変更が直感的かつスピーディーに行えるためです。
キーマップの設定は Web から GUI で行えます。
押下時のキー設定はもちろん、LED の発色も指定できます。
他にも、マクロの設定やレイヤーの切り替え、長押し時と二連続押下時のキー割り当てなどをそれぞれ設定できるため、ありとあらゆるユースケースに対応できそうです。
設定後は Web 上で設定したキーマップのファイルをダウンロードし、設定したキーマップを MoonLander に反映します。
反映自体も非常に簡単で、OSSとして開発されているソフトを起動して先程ダウンロードしたキーマップファイルをドラッグ&ドロップし、指示に従い、本体のリセットボタンを押すだけで反映できます。
ファイルのダウンロードから反映まで、30 秒もかかりません。
このプロジェクトが優れている理由
最適なキーマップを求めて試行錯誤を繰り返す「キーマップ最適化 PJ」(と言っているの)ですが、この、キーマップ最適化プロジェクトには優れている点が非常に多いです。
- 対象ユーザー、意思決定者が明確
- 定量的・定性的なデータ収集が容易
- PDCA サイクルの高速実施
対象ユーザー、意思決定者が明確
一般的なプロジェクトではターゲットの選定がぶれてしまったり、本当のユーザーニーズを見つけるのが大変だったりしますが、このプロジェクトの対象ユーザーは自分自身です。
今使っているキーボードのちょっとした不満や作業改善が必要な箇所といった自身のペインやニーズが明確です。
意思決定フローの複雑性に伴い責任所在が曖昧になりやすいプロジェクトは多々ありますが、どのようなキーマップにするかという意思決定者も自分自身のため、作業のペンディグはもちろん発生しませんし、責任の所在も明確です。
定量的・定性的なデータ収集が容易
1 つめにも関連しますが、ユーザーは自分自身なのでキーマップが自分にあっているかや、作業改善ができているかを一次データとして体感できます。 また、キーボードという特性上、文字入力の速度やミスタイプの数といった定量的なデータも取得できます。
一般的なプロジェクトでは有効なデータ量を集めるのに時間がかかったり、定性的なデータを得るのにユーザーインタビューなどの手間がかかったりします。 その点、定性・定量双方のデータをかなりの確度かつ、即時的に取得できるプロジェクトは類を見ないはずです。
PDCA サイクルの高速実施
前述の通り MoonLander は短時間でキーマップの変更・反映ができます。
アプリのビルドや本番環境へのデプロイはある程度の時間を要しますが本 PJ においてはターゲットユーザーに届けるまで一切のタイムラグがありません。
対象が自分自身なので、失敗時の影響が全く無いことも PDCA のサイクルを早める要因の一つと言えそうです。
おわりに
MoonLander は分離キーボードやキーマップの変更ができるキーボードを初めて触る人にも非常に魅力的なプロダクトです。
また最小規模の個人プロジェクトでありながら、プロジェクトを運用するためのエッセンスがつまっています。
キーマップに正解はないので、引き続きキーマップを最適化するために試行錯誤を続けていきます。
ご意見などがありましたら@shimewtrまでご連絡ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。