はじめに
@shimewtrと申します。
Webエンジニアとして主にRuby on Railsを用いたプロダクトの開発・運営に携わっています。
2020年1月からWebエンジニアとして働いているため、エンジニア歴は10ヶ月ほどですが、コロナウィルスの影響もあり2020年10月に転職しました。
(Webエンジニアになる前はスマートフォン向けゲームのディレクターやプランナーをしていました。)
この記事では今回の転職の際に行ったカジュアル面談にフォーカスし、自分が何を軸として企業の方と面談したか、企業の印象や社風をどのような要素から感じたかを伝えさせていただきます。
TLDL
- カジュアル面談は企業、応募者双方に利点がある
- 自分はプロダクト思考なのでエンジニアがプロダクトにどのように関われるかを主に聞いていた
- カジュアル面談によって入社後のイメージがつきやすかったため、今回の転職は成功だったと考えている
対象読者
以下のような方の参考になるのではないかと考えています。
- 将来の自分
- 多職種からエンジニアに転職しようと考えている方
- エンジニアとしての経験が浅いが転職しようと考えている方
- カジュアル面談で何を話せばいいかわからない方
カジュアル面談をどうやっておこなったか
今回は転職を前提としていました。
転職サイトでマッチングした企業や自身が所属していたプログラミングスクールの方に取り計らっていただき、面談の約束をした企業といったパターンがありました。
カジュアル面談の実施前に履歴書や職務経歴書の提出を求める企業もありますが、求人を行っている企業のほとんどは希望すれば面談させていただけると思います。
(履歴書や職務経歴書の提出を求める企業は実質的な書類審査を行っている印象です。)
カジュアル面談の相手
会社の規模や、採用への力の入れ具合によると思いますが、以下の役職の方が面談相手となることが多いです。
- CTO
- EM
- VPoE
- エンジニアリーダー
役職や経験によって話す内容の解像度が違う部分もありますが、会社や事業への理解、エンジニア組織への理解、こちらがする質問へある程度回答できるといった要素が揃っている方に対応していただけます。
中には、人事の方が面談相手となる企業もありますが、エンジニア文化への理解が無い企業だなという印象を大いに受けました。
流れ
多少の順番の前後や内容の差異はありますが、以下の流れで進むことが多かったです。
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簡単な自己紹介
面接ではないので自己アピールや職務経歴を根掘り葉掘り聞かれるということはありません。
面談をより有意義なものにするため、転職の意思や技術的関心などを話すことが主となります。 -
今日の面談をどのようにしたいか
あらかじめこちらが何を聞きたいか、「面談をする主旨」を明確にするためにこちらから質問ができます。
その後の話の流れで質問に回答していただけることもあれば、回答のために、時間を別途設けてくれることもあります。
この内容に関して、自身が聞いてよかったことや企業選びの軸としたことを後述します。 -
会社・事業紹介
企業や事業の概要を説明してくださります。
職種ごとの従業員の人数内訳や男女比、平均年齢といった社員の方に関することや、会社のサービス紹介の詳細を知ることができます。 -
エンジニア組織に関して
エンジニア組織にフォーカスした組織構成や、開発しているプロダクトの技術スタックを知ることができます。
エンジニアに特化した福利厚生を設けている会社も多いため、技術カンファレンスへの参加費の補助、技術書購入補助費、キーボード・端末購入費といった福利厚生の実際の利用率や細かい条件などを教えてくださることも多いです。 -
「今日の面談をどのようにしたいか」に対するアンサー
これまでの会話で最初にした質問への回答がなければ、回答のための時間を設けていただけることが多いです。 -
こちらのことに関する質問
私の場合は転職を前提にしていたので、転職先を探す上で軸としているものや、どういう企業を探しているかといった質問をされることが多かったです。
面接のように質問されるというよりは企業にマッチしているかなど、転職した場合にミスマッチが起こらないかといったことを話すことが多いです。 -
今後どうするか
転職意向によりますが、今日の面談を通して実際に選考に進むかを聞かれることが多くありました。
こちらの興味関心によっては他の方との面談を設けてくれる場合もあります。
逆に、自分には合わないと思う企業の場合はカジュアル面談で終えることで双方の労力がかからず効率的です。
聞いていたこと
前述の通り、カジュアル面談ではこちらが聞きたいことに対する回答を得られます。
私はどちらかというとプロダクト志向のエンジニアだと自負しているので、プロダクトに関することを聞くことが多かったです。
その中で聞いてよかったこと(転職先を選ぶ上で重視していたこと)とあまり聞く必要なかったなと思うことがありました。
聞いてよかったこと
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施策の流れに関して
私が一番重要視していたポイントの一つです。
ざっくりと、データ分析 → 仮説検証 → 施策立案 → 効果測定 → …といった流れにどのような人が関わり、どういうフローで行われているかといったことを聞いていました。
特に、データをちゃんと見ているか、意思決定のポイントをどういったところにおいているか、定性的な意見をどのように取り入れているかによって自分がこの企業に貢献できそうか、マッチしそうかということを考えることが多かったです。 -
ローカルでの開発からデプロイまでの流れ
開発環境の整備や、本番環境に反映するまでにどのような手順があるか、確認フローはどの程度あるかを聞いていました。
流れの中に人の手が多くかかるところ(ステージング環境に反映するのにステージングサーバーに入ってコマンドを複数回叩く必要があるなど)が無いかや、ディレクターなどの確認者がどのように確認するか(個々人のステージング環境が存在するか)を主に聞いていました。 -
データ分析に対する取り組み
施策の流れにも関連しますが、データに対するアクセシビリティや、非エンジニア職の方を含めて、組織がデータに対して明るいかといったことを聞いていました。 -
会社やエンジニア組織の課題感
そもそも、なぜエンジニアを採用しているかや、自分が課題解決に貢献できるかを気にしていました。
ジュニアなレベルのエンジニアを採用する価値や、受け入れ体制が整っているかを併せて聞くことも多かったです。
また、質問する相手が複数かつ役職が異なる場合は、現場の課題感と上位レイヤーの課題感があってるかなどを確認することで組織としての意識統一がされているかを確認することもできます。 -
評価に関して
給与が高いに超したことはありませんが、一貫した評価の仕組みがあるか、納得感があるかということを軸に聞くことが多かったです。
プロダクトの成果がどの程度影響するかなど、グレードや給与レンジを含む評価制度に関して質問していました。 -
定性的な意見の収集・活用に関して
定量的な分析とは逆に、定性的な意見に対する取り組みを聞くことも多かったです。
ユーザーインタビューやユーザーレビューに対する取り組みや、施策に移す際に定量的なものとのバランス感を聞いていました。 -
オンボーディングに関して
コロナウィルスの影響もあり、フルリモートで開発を行っている企業がほとんどなため、オンボーディングをどのように行っているかも気にしていました。
多くの企業はesaやkibelaに開発環境のセットアップがまとめてあるのと同時に、最初のタスクをこなして本番環境にデプロイするまではペアプロのような形で実施していることがほとんどだったと思います。
オンラインでの部門紹介やシャッフルランチを行っている企業も多く見られました。
聞く必要がないこと
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聞く対象を間違えている質問 面談相手の立場に応じて適切な質問があるという風に感じています。
実際の開発に対する質問をCTOの方に聞いても解像度は高くないですし、技術決定やエンジニア組織など経営よりの質問を現場のエンジニアにしてもあまり意味のある質問にはなりえないです。
面談相手がわかっている場合は相手に応じた質問をすることでカジュアル面談の満足度がより高まると思います。 -
HPやIRから分かる情報 上場企業では売上やサービスのユーザー数などがわかります。
逆に、公開されている以上の情報はわからないことが多かったです。
おわりに
自身の転職活動に伴うカジュアル面談で聞いてよかったことを記載しました。
カジュアル面談を行った方が転職者も企業側も双方が転職のエネルギーを抑えられると考えています。
また、ミスマッチも防ぎやすいため入社後のパフォーマンスも担保できると考えています。
転職活動以外でカジュアル面談を利用する場合も、エンジニアのキャリアパスを見直すきっかけや、他社のエンジニア組織や技術に対する取り組みを聞く機会になるため、今後も積極的に利用していきたいと思います。
ご意見などがありましたら@shimewtrまでご連絡ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。